集中を高める学習には、2つのキーワードがあります。前述のように課題が「簡単」であること。そしてもうひとつ、「高速」で取り組むことです。簡単な課題を高速で、確実に満点が取れるようになるまで繰り返すことが重要。これはいわば、スポーツにおける筋トレのようなものです。数字と言葉を使って脳を鍛えましょう。
方法1:数字のトレーニング 百ます計算
陰山先生は「百ます計算」を理想的な学習法として推奨しています。1ケタの足し算からさまざまなレベルの問題があるので、お子さんが「できて当たり前」と感じる問題から始めましょう。その際、必ずストップウォッチで時間を計りながらできるだけ速く解かせることで問題に夢中になっていき、集中状態を高めることができます。
方法2:言葉のトレーニング 漢字の高速暗記
「10個の漢字を3分後にテストする」というように、適度な個数の漢字の課題を与えて短時間で覚えるよう促しましょう。1度で全部覚えられなくてもOK。全部答えられるようになるまで何度も、答えを見て短時間で覚え直します。練習する回数は本人次第。これを繰り返すと、漢字を「覚える」ことに集中し、小学校1年生でも2~3回書けば覚えられるようになっていくといいます。
「100個の漢字から10個がランダムに出題されるのではなくて、問題も答えもわかっているテスト。10個しかないのですから、覚えようと思えば覚えられるんです。『10回練習しなさい』などと回数を決めて書き取りをさせるのはやめましょう。覚えることよりも書くことが目的になり、脳が“だらだら勉強”を覚えるだけで逆効果です。」
集中できない子は、集中した経験がないだけ。こうして集中を毎日積み上げていけば、みんな集中力を身に着けることができます。